治療の進め方

※受療に際してのご注意

  • 顔の色つや、舌、爪、お腹の状態は病状を知るための重要な情報です。化粧やマニキュア、受療直前の飲食は診察の妨げになりますので極力お控えください。
  • 診察と施術の対象部位である肘膝から先の手足、腹と腰、肩と背中が見せられる服装でお越しください。
    【✕】
     ハイネック(肩と背中が診られない)

     ワンピース(お腹や腰が診られない)
     タイトなジーンズ(裾がまくり上げられない)
    【〇】
     肩と背中が大きくひらいたもの(タンクトップやキャミソール)

     膝までまくり上げられるもの(スカートやゆったりしたズボン)
  • 施術時間(問診を含む)の目安は、初診が60分、2診目以降は30分(小児は10分)です。
  • 会計時に次回のご予約を承ります。初月割りの適用は3日に1回以上の頻度での受療が条件となります。当院の予約状況との兼ね合いもありますので、ご予定を十分にあけておいてください。

-初診のご予約-

  • 事前にお電話にてご予約ください。
    ※午前中または夕方以降は訪問診療で外出することがあります。不在の場合は12時から16時の間でおかけ直しいただくか、留守番電話にご連絡先をお残しください。
  • 化学物質過敏症の方は初診予約の際にお知らせください。

-問診(初診は約30分~)

  • 初診時は予診表をご記入願います。
  • 問診事項は多岐にわたります。お困りの症状と直接関係なさそうなこともお尋ねしますが、心身全体の状態を伝統医学的に把握するために必要な情報ですのでご了承ください。支障があればお答えいただかなくても結構です。
  • 心配なこと、気になることがあれば、遠慮なくお話しください。溜まった思いを吐き出すことも治療の一環です。

-身体診察-(約5分)

  • 脈診:両手首の脈動から心身の状態を読み取る伝統医学に基づいた脈診です。
  • 触診:腹部や肩背部、手足の皮膚の状態(冷温、硬軟、発汗状態、圧迫時の痛みなど)を触って確認します。
  • 視診:舌や爪の状態や顔の色つやを診ます。舌の苔は内臓の状態を反映する大切な情報なので、受療前に除去しないでください。また、化粧やマニキュアも落とした状態が望ましいです。
  • 受療直前の飲食は、正確な診察を妨げるのでお控えください。
  • 鍼灸施術の効果は、主訴の即時改善だけではなく、これら身体所見の変化としてもあらわれます。

-鍼灸施術-(約20分)

  • 診察結果をもとに、心身の現状に最も適した部位(おもに肘膝より先にある手足のツボ)を数か所選び、そこに鍼を押し当てるか、ごく浅く刺します。
  • 腹部や肩背部に対して〈リズミカルに突っつく散鍼〉と〈熱を感じたら取り去る知熱灸〉を行います。
  • 必要に応じて、症状があらわれている箇所や症状をおさえるツボに施術します。

-休憩-(約5~10分)

  • 施術後に軽いだるさや眠気を感じることがあります。常に気を張って忙しく頑張っている人、過労して体が強張っている人、必要な睡眠が足りていない人などは、鍼灸によって緊張が解かれて休息を求める状態になるためです。そんな人のために休憩の時間を確保してあります。この“微睡み(まどろみ)タイム”は至福のひと時です。鍼灸施術の余韻を味わってください。
  • 人によっては逆に、意識が冴えて視界がクリアになるなど、覚醒する方向に変化する場合もあります。また、消化排泄の機能が働きだして便意をもよおしたり、お腹が鳴って空腹感を覚えたりすることもあります。
  • せっかくめぐり始めた気血がすぐに滞らないように、その日の就寝までは頭を空にしてゆったり過ごすことをおすすめします。受療した日の飲酒は普段以上に酔いが早くまわることがありますのでご注意ください。飲酒・入浴は軽めに済ましましょう。
  • 施術を受けた日の夜は、いつも以上に強い眠気が襲うことがあります。熟睡できるチャンスなので、体の声に従って早く就寝してください。

-セルフケア-

  • 本格的な病は、複数の要因が入り組んでいて病状が複雑化しています。診察によって把握された病の要因が生活環境や生活習慣からの悪影響である場合、それを自覚することが治癒への第一歩であり、セルフケアの目的は病の要因をできる限り取り除くことにあります。
  • 精神的ストレスや働きすぎをなるべく避けて、暴飲暴食、偏食、夜更かしなどの不摂生を改めることで、治療効果が増大します。
  • はじめの1か月を過ぎた後は、各人の病状に合わせて呼吸法、運動、食養生、ご自身でできる簡易鍼灸法とツボの取り方をご指導いたします。毎日実施して治療効果を維持してください。
  • 疲れて傷ついたご自分をいたわってあげることが大切です。

-経過観察-

  • 症状を生み出しているのは内部の生理機構(全体の関係性)の不調和や異常であり、その「病状(病の状態・構造)」を知るために各種の診察があります。施術効果の判定や病状回復の予測も術後の診察結果から判断します。
  • 病状が単純ならば施術直後の症状の劇的な改善もあり得ますが、こじれて慢性化した病状ではそう簡単にはいきません。基本的に、施術直後の症状の変化は表面的で一時的なものとお考えください。
  • 施術直後の主訴の改善なり無変化なりに一喜一憂することはありません。時間がたつにつれて(睡眠による回復を経た翌日以降に)徐々に軽快していく経過の方が大切です。また、施術中に体調が悪化した場合は我慢せず、すぐに教えて下さい。
  • 一定程度以上の改善が見られない場合、あるいは悪化してしまった場合、順調な回復を妨げる何らかの要因が日常生活に潜んでいると考えられます。経過観察からそれをあぶり出すように見つけていき、治療の効果をさらに上げていきます。
    【例:寝不足が続いて症状が悪化した/大小便の出が良いと主訴が軽減し、食べ過ぎたり飲み過ぎたりすると悪化する/天候が崩れると痛みが強くなる、など】
  • 要するに、重要なのは施術直後でなく、受療していない期間に起こる症状や体調の変化です。その情報は次回診療時に詳しくお尋ねしますので、生活状況との関連をよく観察し、ご報告願います。その情報を加味して、病状をより正確にとらえ直し、施術内容を調整することで、治癒への最短ルートを探ります。


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